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 背中の色素反応は、基本的には体質や体調を反映して、さまざまに現れます。しかし、冷房による腰痛や神経痛では、膀胱の反応部に特徴のある傾向も見受けられます。

 膀胱の反応部は骨盤を構成している仙骨上ですが、ここに色のでない虚の反応が多いのです。このことは、女性の骨盤内の血流が冷えに弱いこと、五臓の色体表で「寒」「冬」といった冷え関連の言葉が腎・膀胱の系統に記されていることと重なってきそうです。

 また、この虚の反応は時間を長めに吸着させていると、カップが曇ってきたり、薄紫色がまだら状に現れたりすることもあります。ついつい色の出ているところばかりに注目しがちですが、(きょ)の反応にはこれらの異常性を含んでいることもあり、見落としたくはありません。

 さらに膀胱の反応部が曇るときには、足の裏の腎経(ゆう)(せん)にも同様の曇りが現れたり、足全体が水気を含んだような湿った触感だったりすることもあります。そして、こうなると膀胱経の神経痛を発症してしまっているケースが多いようです。

 膀胱経の神経痛には、膀胱兪(ぼうこうゆ)および承扶(しょうふ)とともに、その中間の臀部も非常に大切です。この付近を主力として、足の後側の中心線にそってカップを吸着させていくとよいでしょう。

梅雨時から夏場、オフィスにクーラーが入ると、決まって働いている女性の患者さんが増えます。症状は足腰の冷えや体のだるさ、生理痛や不眠などもありますが、腰痛や神経痛が出るにいたっての来院が多いようです。

とくに女性は骨盤内の構造が男性よりも複雑なため、冷えによる血流障害を起こしやすいといわれています。施療もこのことを意識して行うとよいでしょう。

骨盤まわりを中心に、足の経絡や足首・膝などの関節近くを施療の重点にするとよいと思います。冷えや痛みを感じるところと、ほぼ一致してくるのではないでしょうか。

 また、仕事場の温度調節はままなりませんから、これらの部位の保温をこころがけることも大切です。保温用グッズなどを腰や足首に巻いたり、イスに敷いたりするのもよい方法です。