すべての画像・データーについて無断転用・無断転載を禁じます。 
Copyright©2013-2021 健医志 All Rights Reserved.
 円形脱毛症も一か所だけでなく、二つ三つとできたり、二つがつながって大きくなることがあります。また、脱毛と発毛を次々とくり返す場合もあり、こうなってくると病いと治癒のせめぎ合いの状態です。施療も頭部だけでなく、背部や腹部などの全身的な施療が必要になってくるでしょう。

 さらに、稀ではありますが脱毛が頭部全体に及んだり、全身の毛が抜けてしまう場合もあります。ここまでくると、施療も年単位で経過をみていかなければならないことが多くなりますが、単に「重症だから」とは片づけられない問題を含んでいるように思います。

それはステロイド剤(副腎皮質ホルモン)についてで、施療に苦戦してしまうケースでは、ほぼ間違いなく使用経験があるのです。

 ステロイド剤を使用すると、当初は驚くほど発毛するようです。しかし、だんだんと効果が薄れていったり、使用をやめた途端に逆にひどい脱毛を招いてしまったり・・・。

 この経過は、アトピー性皮膚炎とステロイド剤の関係にそっくりで、結果として病状を悪化させているのではないかと疑いたくなるほどです。

また、ステロイド剤の影響と思われるケースでは、腰の副腎や腎臓部の異常な冷えやシコリがある場合がほとんどです。吸玉カッピング療法でも、色のでない虚の凝固反応があらわれることが多く、白と紫色のまだら模様も何度かみたことがあります。

ステロイド剤の連用は自身の副腎を委縮させるといわれていますが、改善のむずかしさや病いの経過、吸玉カッピング療法の反応を考えると、そのとおりなのかもしれません。

しかし、吸玉カッピング療法とアミノ酸やビタミンCの組み合わせで、重症のアトピー性皮膚炎でのステロイド禍克服の報告がよせられています。本来ステロイド(コルチゾールなど)は、自分自身の副腎がつくっているホルモンです。薬に頼る前に、自身の副腎の機能を高めることを考えたほうがよいでしょう。

ホルモンの原材料はアミノ酸やコレステロールとビタミンC。そして施療は、「副腎=三焦」になると思われます。難症の脱毛症やステロイド禍と闘っておられる方の参考になれば幸いです。

 古い友人のⅠ君が、円形脱毛症になったという噂を耳にしました。ところがこのⅠ君、一向に気にする様子はなく、

「円形脱毛症はイイヨ。体調はすこぶる快調なのに、みんなが心配してくれる。みかけによらずストレスがあったんですネ、などと、実はナイーブな人柄だったと見直されたみたい・・・」

希代のお気楽人間の面目躍如といった感じですが、この姿勢がよかったのか、やがて治ってしまった、とのことでした。

円形脱毛症は、ストレス、自律神経失調、ホルモン失調、自己免疫疾患などなど、さまざまな原因説が取りざたされていますが、どうもハッキリしないようです。明らかに強い精神ストレスと関連がある場合もありますが、知らぬ間に発症し、何となく治ってしまう場合もあるのです。

吸玉カッピング療法では、直接、脱毛部にカップを吸着させてかまいません。脱毛部は色が白く、プヨプヨとした柔らかい触感になっていることが多く、虚血的な状態とも思われますが、意外と瘀血が出てくることもあります。

 治り方は、軽症の場合は一斉に発毛してきます。黒髪ではなく、白髪が生えてくるケースもありますが、これもやがては黒変していくものと思います。また、発症から一定期間が経過している場合は、周辺部から少しずつ生えてくるという経過をとることが多いようです。

 場所的には、一般に頭頂部などは治りやすく、後頭部や側頭部の髪の生えぎわのものは時間がかかることが多くなります。

いずれにしても、単純性(一か所の円形脱毛)の場合は吸玉カッピング療法で対応できますから、必要以上に気にしないほうがよいでしょう。