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海にもぐって遊んでいたところ、急に左腕の一部分がシビレのように痛み始めたことがあります。
おそらく、何か毒のあるものに触れてしまったのでしょう。見た目には赤くなったりしていないのですが、痛みと透明な浸出液がジュクジュクと出てくる状態が夜まで続いていました。

 この浸出液はふいてもふいても濡れてくるという感じで、体が不要物(毒?)を押し出そうとしているように思われました。そうであれば排出してしまえば治るだろうと考え、吸玉カッピング療法の登場となったわけです。

場所は手首と肘の真ん中あたりで、ちょうど小腸経「支正(しせい)」の付近でした。もちろん患部を直接ねらって吸着させたので、ツボにこだわったわけではありません。肘をまげた姿勢で3号カップを腕の外側に当て、吸引ホースをつないだままの連続吸引にしました。

ところが吸引圧を強めても、思ったようには排出してくれません。そこで、消毒した針で赤い血が出ない程度にわずかに皮膚を傷つけて、排出をうながしました。

これで何とか痛みはおさまったのですが、付随して、いくつかおもしろい点がありましたのでご紹介いたします。

(1)不要なものしか出てこない?

浸出液の出ている患部に直接カップを吸着させたのですが、カップ内がすべて患部だったわけではありません。カップの吸着面内には3分の1ほど正常な部分があり、この正常な部分を含む吸着面全体をまんべんなく傷つけていました。ところが体液が滲出してきたのは患部からだけで、正常な部分からは何も出てきませんでした。
 もちろん傷が浅かったこともあるでしょうが、カップ内は同じ傷、同じ圧だったのですから、出るべきものだけが出ているという印象を受けました。やはり体には「不要物は排泄し、必要物は出さない」という機構のようなものがあるように感じられました。そして「異物=不要物=瘀血」の図式も頭に浮かんできました。

(2)偶然、おまけが出てきた!吸着させた場所は、たまたま小腸経の「支正」付近だったのですが、施療中から下腹部がモゴモゴと動き出し、ついには排便がありました。実は泊りがけで出かけていたこともあって、便秘をしていたのです。
しかも午前の時間帯が自分の習慣で、排便は翌朝だろうと思っていたのですが、今回は,当日の夜にありました。
これは自分にとってはとても珍しいことで、偶然ですが小腸のツボを施療した結果だろうと思います。

 なお、小腸経「支正」に関しては、「頑固な便秘に特効あり」などと記されている書物もありますので、興味のある方は確認してみてください。

 (3)出さないと、ずーっと痒い!後日談です。カップを吸着させたのは3号カップで1か所だけで、その周辺部には吸着させていない患部が残っていました。主な部分は解決できたので、ほとんど気にはしていませんでした。ところが、翌日にはその残った部分が赤くなり、3日目くらいからは痒くなってきました。 3日目といえば、カッピング施療した部分はまったく正常な状態にもどっています。そしてカッピング施療していない部分の赤味と痒みは、この後2週間にも及んでしまいました。やはり、出すべきものは出さないと長くわずらってしまう、ということなのでしょう。

不要なものしか出てこない?