経絡では、皮膚病・痔疾患ともに効果ありとされるツボ、肩の大腸経「肩髃(けんぐう)」に吸着してみました。
ただ、ここの色素反応は()で、さほどではありません。

やはり、注目すべきは前述の「大腸兪」と尾骨部だと確信しました。尾骨はお尻の割れ目の上端あたりに触れる骨ですが、長年肛門を患っている方の場合など、この付近の色が黒く濁ったような色になっていて、いかにも瘀血が溜まっていると思わせることがよくあります。彼の場合はキレイな肌の色(名誉のために書き添えます)でしたが、色素反応が()で、まだら模様に色が出ていたのです。
 尾骨部の吸玉カッピング施療は、お尻の割れ目の上端がカップ内に入るように吸着させます。空気が入ってしまう場合には、吸引圧を適切に調節し、吸引ホースをつないだままの連続吸引がよいでしょう。また今回は、色素反応を比べるために5号カップを使用しましたが、7号程度の大きなカップでも扱いやすいようです。
 今回の施療は、初回だったので吸引圧は40止まり、お風呂での肛門のマッサージ方法を伝えて、終了としました。

翌日、肛門の様子を聞くと「だいぶいい」とのこと。その後、もう一度施療をして「快調!」となりました。そして皮膚病のほうもアミノ酸のエキスを塗り続けて、約2週間ほどでキレイになったとのことでした。
 もちろん、もっと重症の場合はこう簡単にいくもではありませんが、東洋医学との関連や吸玉カッピング療法の色素反応についての面白い(失礼!)症例だったのではないでしょうか。

腰の両側だけ毛が濃い。

左右の膀胱経「大腸兪」と尾骨部に
5号カップを吸着。
尾骨部はゴム管とつないだままの連続吸引に
するとよい。
膀胱経「会陽」などを治療できる。

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