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 体調的には、問題ありません!

大腸経天枢(てんすう)に5号カップを吸着。
腹部疾患全般に常用されるツボの一つ。
おへそに8号カップを吸着させる方法もある。

瘀血的には、問題があります!

腹部は全体施療という方法もありますが、今回は各経絡に1つずつある「募穴」という特別なツボだけにカップを吸着させました。これは吸玉カッピング施療に不慣れな方のため、あまり吸着カップ数を多くしたくなかったからです。慣れないうちに強い施療をしてグッタリ疲れさせてしまうのは考えものです。

 吸引圧も25程度と、背部よりもさらに弱めていましたから、色素反応はあまり出ないだろうと考えていました。ところがオヘソの両側で、大腸の募穴である「天枢(てんすう)」だけは、赤黒い色素反応がハッキリと現れたのです。

「これだけの反応があるのですから、大腸には何か問題があると思います」。確信を伝えると、この男性はやや考えた後、

「そういえば、数年前に大腸ポリープの手術をした」との答えが返ってきました。

手術といっても医療技術は進歩していますから、以前のように大きな傷跡を残すようなものは少なくなってきているようです。この方の場合も、おそらく肛門から内視鏡を入れてのもので、傷跡もなく、あまり意識されていないのでしょう。

手術後、特別な症状もないのですから、すっかり治っている、まったく過去の問題だ、という認識も当然のことだと思います。ところが、色素反応は瘀血のあることを示しているのですから、単なる過去の出来事と見過ごしたくはありません。ポリープは切除したとしても、病いの根本原因である瘀血の解消にはなっておらず、むしろ不安ありのサインなのですから…。

この方が、再発や新たな大腸関連の疾患を防ぐには、施療を続けていく必要を感じます。そしてワンランク上の健康状態を目指して、家族で上手に吸玉カッピング施療器を活用していただければ、と思います。

ある50歳台後半の男性が、吸玉カッピング療法の体験施療を受けたいと訪ねてきました。体調などに問題はないのですが、家族が吸玉カッピングの施療器械を購入したので一度キチンと体験しておきたいとのことでした。

 カルテの体調欄にも何ら記載はなく、過去の病歴を聞いても眼中にないといった印象でした。やや気にはなりましたが、施療の方法を覚えたいだけなのだろうと、あまり深くは考えませんでした。

施療室では、色素反応や内臓反応エリアの説明をしながら、背部にカップを全体的に吸着させました。ほとんど施療体験のない方ですから、吸引圧は30程度で10分の吸着という軽い施療です。ただ、ある程度の診断(色素反応の見立て)をしたいため、各ポイントの比較ができるように吸引圧と吸着時間は一定にそろえていました。

結果は、肺の反応部が色素反応(中)、大腸の反応部が色素反応(中)で凝固反応、というものでした。肺と大腸の組み合わせは、東洋医学でいう陰陽関係で、関連のあるものと考えられます。また、大腸の反応部を中心に毛が生えていましたから、どうも大腸には何かありそうな気配です。

そこで、便通の具合を問うと、「いつも快便で、下痢もめったにしません」腰の様子を聞いてみると、「痛みや不都合は感じません」

こういわれると、「そうですか」と応じるしかありません。あお向けになってもらって、腹部の施療をすることにしました。