足先のシビレ感だけは治らない!
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 胆経「陽陵泉」および「外丘」に4号カップ、膀胱経「跗陽」に3号カップを吸着。
 
 「陽陵泉」は腓骨頭の直下と言われるが、やや前方の方が効果が高い。大きめのカップが吸着できれば、
腓骨頭ごと吸着させてよい。
 
 「外丘」は腓骨頭と外くるぶしの中間、「跗陽」は「外丘」と外くるぶしの中間の後面に位置している。

 数年前にひどいギックリ腰から坐骨神経痛を患った、40歳台の男性の例です。腰や足の痛みは、1年ほどの通院でよくなり、とりあえず日常生活には支障がないまでに回復したのですが、足の外側の指2本のシビレ感だけは残ってしまったとのこと。病院では「これ以上は治らない」といわれたようで、半ばあきらめているといった感じも見受けられました。

この足先のシビレ感は腰からきていると考えられますから、まずは腰の様子が気になります。ただ、腰の反り具合や筋肉の張り具合からは、病いの痕跡は感じましたが、あえていうほどではありませんでした。むしろ一度傷めた腰に対して体が防衛反応をとっているといった感じで、無理をしなければ大丈夫なレベルと思われました

ところが足には、問題がありました。足を触ったところ、左右の温度がまったく違い、シビレ感のある右足だけが冷たくなっていたのです。ご本人の訴えは「ボワーッとしたようなシビレたような不快感」ですが、冷たさは意識されていませんでしたから、感覚の麻痺に近い状態だったかもしれません。

また、シビレ感のある足先の外側に対応するのは胆経や膀胱経ですが、膝下外側の胆経領域には強い筋肉のひきつりがありました。ちょうど膝の外側やや下の骨の出っ張り(腓骨頭)から外クルブシにかけてで、軽く押してもビリビリ痛むといいます。

そこで吸玉カッピングは、腰や背部、股関節といった基本的な腰痛施療部位は軽めに、そして膝下外側の胆経部には強めにカップを吸着させました。ツボは、胆経(よう)(りょう)(せん)および(がい)(きゅう)、膀胱経()(よう)などが中心です。「跗陽」は膀胱経のツボですが、胆経の神経痛にも連動して反応が現れますので、覚えておいてもよいでしょう。
 足の色素反応は薄い紫色がわずかに現れた程度でしたが、全体的に凝固気味で、カップが相当に曇りました。腰の状態はとりあえずよいとしても、足には多くの瘀血があることは間違いないでしょう。この膝下外側の瘀血が主な障害となって足先の神経や血流を阻害し、知覚異常や冷えを招いていると思われました。

 足を温めて血流をうながすために、「足湯」や保温ベルトを足首に巻くことをお勧めして、その日の施療は終了いたしました。