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 股関節に注目してみよう!
 胆経「環跳(かんちょう)は、骨盤の両外側で、ちょうど股関節に位置しています。横向きなどの姿勢でさぐってみると、足の太ももの骨(大腿骨)の端を触ることができます。厳密なツボの位置については、この骨端の前の縁、上の縁、あるいは後ろの縁がよく効くなどの諸説がありますが、病状によっていずれの取り方にも意義があるようです。

個人的な印象を述べると、子宮や卵巣といった婦人科疾患や鼠径部に異常がある場合には、前寄りの位置が効くようです。また、腰痛や坐骨神経痛の場合には、腰部・背部とともにやや後ろ寄りの位置の施療が欠かせません。さらに、神経痛が胆経(足の外側)から胃経(足の前面の外側)に及ぶ場合には、骨端の上部にも引きつりが現れます。

ただ、8号などの大きなカップで骨端を包み込むように吸着させると相当な領域をカバーできますから、難しく考えることはないでしょう。むしろ周辺部を含めて、全体的に施療する方法をお勧めしたいと思います。

股関節の問題で、吸玉カッピング療法では対処しきれないものに大腿骨頸部の骨折があります。特に高齢者の場合は、転んだだけで簡単に折れてしまうことも少なくありません。

普段から予防的に施療をして状態を整えておくことが望まれますが、万一転倒して激痛とともに足が動かせなくなったり、股関節の骨が飛び出したように見えるときには、病院(整形外科)でみてもらってください。おそらく、手術ということになるでしょう。

胆経「環跳」に8号カップを吸着。
骨端を目安に、広い領域をカバーすることができる。