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 「ひどい肩コリ症で、吸玉カッピング療法のお世話になっているが、どうもスッキリしない。施療をすると楽になるが、仕事をするとまた凝ってしまう。仕事がキツイので、ダメなのだろうか?」

ある吸玉カッピング療法の研修会で、40歳台の男性から受けた質問です。

もちろん仕事や施療の程度、疲労と回復のバランスは問題になりますが、施療点や施療方法にもよると思います。そこで肩コリの部位を聞いたところ、おもむろに上着を脱いで実習に協力してくださいました。

見ると、背中には一面に水疱施療の痕が残っていて、施療の程度が不足しているとは考えにくい状況です。また、肩コリの場所としては三焦経「天髎(てんりょう)付近をさぐるようにしていました。

三焦経「天髎(てんりょう)は、首のつけ根の背骨(膀胱経「大椎」)と肩先(外側の先端)との真ん中で、やや後下部(背中側の下部)になります。自身では、肩とは逆の手をやや首よりの位置にあてて、付近を指でさぐると、硬くて痛みがあったり、コリッとした感触のポイントが見つかると思います(指を左右方向にさぐると見つけやすい)。そこを「天髎」と考えてもよいでしょう。

「天髎」は最も一般的な肩コリ部位ともいえるところで、吸玉カッピング療法でも手軽に施療できます。ツボは知らなくても、肩コリといえば自然に施療していたり、普通に背中全体を施療していてツボに当てていることもあります。

「天髎」は用途も広く、肩コリには欠かせないツボですが、むしろ意識しなくてもよいほど実用されているようです。

この方の場合も、当然「天髎」は施療していました。そして施療をすると楽になるのですから、施療点や施療法が間違っていたのではありません。それでは、なぜ結果がいま一つだったのでしょうか。

実は三焦経「天髎」のすぐ近くに、もう一つ別のポイントがあるのです。

三焦経「天髎」に5号カップを吸着。
代表的な肩コリ部位である。