ある研修会の休憩時間に、割合に強い調子で病状を訴えている女性の声が聞こえてきました。

年齢は60歳くらいでしょうか。どうも見過ごせないという気がして、状態を問いかけてみました。
 
 すると、
「首も肩もそこらじゅう痛い。とにかく痛みで動かせない。腕もシビレてる!」

こういう場合、こちらとしては痛みのハッキリとした部位やどういう動作がキツイのかなど、できるだけ具体的な情報が

ほしいものです。

ところがこの方は、自分のつらさを訴えたいという感情が先になってしまっているようで、なかなか要領を得ません。

ちょっとした気持ちのすれ違いといったところです。少々申し訳ないとは思いましたが、直接探ることにいたしました。

肩は後方の痛みが強く、腕は前方での動作がつらいようでした。シビレの領域は定かではありませんが、どうやら小腸経の

病変と思われました。

小腸経は小指から肩の後面、そして側頚部から顔面へと連なる経絡です。これは痛みの部位と一致していますし、肩の後面

の筋肉が硬縮(コリ)していれば、腕を前方で動かす動作で引き延ばされ、痛みが生じることも理解できるからです。

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 小腸経の施療例。上から『肩外兪(けんがいゆ)』 『天宗(てんそう)』
『肩貞(けんてい)』。それぞれ5号カップを吸着している