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背部の色素反応は肺、心臓、肝臓が色素反応(中)という程度で、それ以外には濃い色素反応はみられませんでした。むしろ気になったのはまったく色のでない虚の反応で、腎臓、大腸、小腸、膀胱と、腰以下の広い範囲に及んでいました。

なかでも大腸の反応部は1か所だけカップが曇り、カップをはずすときにはイヤな臭いまでありました。大腸の状態をうかがうと、長年の便秘症でポリープまであるというのですから、腰の虚の反応は大腸由来のものと考えてよいでしょう。肩の病変経絡と腰の色素反応は「大腸」で一致していたわけです。

この一致は、東洋医学的には関連ありと考えます。もちろん単なる偶然の一致との考えもありますが、少なくとも身体全体の健康には肩も腰も両方施療する必要があるはずです。内科・整形外科などに分化していない東洋医学では、トータルな体調をみながらの平衡治療が可能です。

「四十肩/五十肩」は肩関節部の病変とはいえ、単なる筋肉の老化、酷使、運動不足などととらえた局所の施療だけでなく、腰や背部といった全体を意識した広い施療をお勧めしたいと思います。内臓の病状と手足の経絡上の痛みや皮膚病が連動することは、珍しいことではありません。

なお、大腸経の「四十肩/五十肩」では、肩関節部が前方へと引っぱられて、飛び出した感じになっている方をよく見受けます。このタイプであお向けで睡眠される方の場合、とくに冬の明け方などに強い痛みに襲われることが多いようです。おそらく気温や体温が下がって筋肉が固くなったところで、後方へ引っぱられる形となって発症するのでしょう。

保温を心がけることはもちろんですが、厚めのタオルを折って肩の下に当てがい、肩の位置を高くして寝ると防ぎやすいこともお伝えしておきたいと思います。