古い施療カルテを整理したところ、こんな症例もあった、あんな色素反応だったと、埋もれていた記憶が呼びおこされ、とても勉強になりました。症状や経過、施療点や反応などを記録しておくと、後で役に立つことがよくあります。今回は、その中から56歳の女性の例をご紹介いたしましょう。 ひとまずお元気そうだったと記憶していますが、38歳の高血圧症に始まり、40歳にギックリ腰と十二指腸潰瘍、50歳で緑内障(目の疾患)、55歳に胃潰瘍と、たくさんの病気を経験されています。 カルテの体調欄もにぎやかで、頭痛にめまい、目の疲れ・かすみ目・涙目、足の冷え、肩コリ、胃痛、背中と腰の痛み、疲れやすいなどなど。 また「寒がり」で「のぼせ症」と、一見矛盾したような事柄や甘い食品が好きといった記載もみられます。薬は血圧や眼圧が高いため、血圧降下剤と目薬を用いているとのことでした。 栄養補給食品に関しては、半年前からアミノ酸とアセロラのエキスを毎日飲んでいて、黒っぽい紫色だった舌の色が淡くなってきたとおっしゃっていました。暗紫色の舌というのは漢方でいうところの瘀血症の現れですから、改善の様子がうかがわれます。 そして、いよいよ吸玉カッピング療法を始めようということで、相談に来られました。 まずは体験ということで、ごく軽い施療をおこないました。これは、慣れないうちの強い施療はグッタリ疲れさせてしまうことがあることや、さまざまな病歴を考慮にいれてのことです。 背部の色素反応も、今回は35という吸引圧で診ています。初回の施療時には、施療の方向性を見つけると同時に、慎重さが求められると思います。 |
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