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腹部は、吸引圧25で各経絡の「募穴」に吸着しました。「募穴」は特別な意義のあるツボで、各経絡の腹部での最も代表的な施療点です。病状や背部の色素反応が複雑なため、腹部「募穴」の色素反応で、もう少し施療の方向性を見極めたいと思ったからです。 結果は、胃経絡の募穴「中脘」と腎臓経絡の募穴「京門」に色素反応(中)が現れました。これで何とか全体の身体イメージがつかめたように思われました。胃は最も直近に胃潰瘍と診断されているのですから当然といえば当然ですが、色素反応は腎臓系統の重要性も示唆しています。 この方には頭痛、めまい、のぼせ、目の症状などがありますが、これらは血圧や眼圧の高まりによるものと考えられます。これらの症状には、心臓・小腸・胆・三焦などの施療経絡も想定できますが、色素反応がさほどではありません。 腎・膀胱に関しては病名がつくほどの診断は受けていませんが、予想以上に弱っていて、足の冷えなどの問題が大きく影響しているということなのでしょう。 この方には、背部や腹部の全体的な施療の必要性をお伝えいたしました。これは病状が多岐にわたっていますから、普通の人以上に大切だと思います。そして局所施療としては、後頭部への軽い施療です。後頭部は、頭や目の症状には欠かすことができません。 ただ、後頭部以上に重点を置きたいのは膝から下、とくに腎臓・膀胱の経絡だと指示いたしました。これらの部位のツボは、高血圧や頭部、目など、のぼせ上った症状を引き下げる働きがあるからです。 腎臓経絡が足から心臓や頸動脈といった血圧関連の領域へと連なっている事や、膀胱経絡が目から頭部、後頭部を通り、足へと連なっていることにも注目してみてください。 これらのことを考えると、おそらく、この方の「寒がり」と「のぼせ症」の同居は矛盾してはいないのです。 |