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50歳台のご夫婦が、施療相談にみえました。内容は、「ご主人の左目に見えない部分(視野の欠損)ができてしまった」とのことで、病院では「黄斑変性症」と診断されたといいます。病変部位をレーザーで焼く治療法もあるのですが、中心部分のために行うことができず、ほかに治療法はないということでした。

状態を聞くと、左の視野の中心部分が「映っていないテレビのザーッとした画面」のようになって見えなくなっている、
と表現されました。

周辺部は見えていますし、右目にも異常はないからなのでしょう。ひとまず、立ち振る舞いなどに特別な支障は感じられませんでした。ですが、文字を読むなどの細かい作業には問題があり、視力を必要とされる今の職務は不適とされてしまいました。

治療の決め手がないことや、仕事の部署を変わらざるをえなかったこともあって、ご主人はションボリとした様子です。奥様には、「そのうち全く見えなくなってしまうんだ」などと言っていたようです。

吸玉カッピング療法に関しても、奥様に連れられて来たという印象があり、ダメでもともと、という感じだったかもしれません。

目の周辺などの顔面部には、もちろん目に効くツボがあります。

しかし初めての方にとって、顔面部への施療は抵抗があって当たり前です。こちらの方はお伝えする程度にとどめ、まずは体を吸玉カッピング療法になじませながらの背部の全体的な施療と、後頭部から頸、肩といった部位のコリを解消することを第一目標に設定いたしました。

吸玉カッピング療法にとって背部の全体的な施療は基本ですし、目を含む顔面部の病状では後頭部付近にコリのあるケースがほとんどで、なおかつ有力な施療点でもあるからです。

この方の場合も、左目に対応するように後頭部から後頚部にかけての左側の筋肉が盛り上がり、左右の段差ができて、見ただけで左側にひどいコリがあることが分かるほどになっていました。

幸いなことに奥様が積極的で、点刺して瘀血を出すことも質問してきましたので、ご自身で行わなければならないこと、
そのためには勉強していただきたいこと、栄養補給も重要であること、などをお話ししました。