腰痛をはじめとする筋肉の病いに、吸玉・カッピング療法はよく効きます。「抱えられてきた患者さんが、自分で歩いて帰った」などという話を聞いたことのある方も多いことでしょう。

 しかし、症状のきついギックリ腰には注意も必要です。患部に吸着させるだけの施療をすると、痛みを増すことがあるからです。

 強い炎症やひどく過敏な状態のときには、臀部や股関節、あるいは足の施療などで様子をみるほうが失敗がありません。周辺の施療は腰の状態を落ちつかせますから、患部への直接施療はそれからでもよいと思います。

 とくにギックリ腰となってしまった当日は、患部への黒酢の常温湿布だけにだけにとどめたほうがよいこともあるほどです。(ほかにも方法はありますが、今回は無難な方法のみとさせていただきます)

 節分を過ぎると、暦の上では春になります。しかし実際には厳寒のさなかで、ここに問題があるように思います。どうもこの時期、ギックリ腰や寝違えなどの筋肉の引きつりが多いのです。

 東洋医学の情報を集約した「五臓の色体表」によると、筋肉と春は同じ肝・胆系統になります。春は冬眠から目覚め、体を躍動させ始める季節です。しかし準備不足の筋肉を動かしたら・・・。

 筋肉の引きつりは、この結果なのではないでしょうか。ギックリ腰のときには、肝臓や胆のうの背部反応ポイントに色素反応や腫れをみることが少なくありません。その後発症する足の神経痛も、胆経が多いのです。(※胆経=外側領域)

 足の神経痛は膀胱経にも現れますが、こちらはやや下方の仙骨付近に問題があることが多く、骨や冷えといったニュアンスが強いようです。(※膀胱経=後側領域)

 やはり筋肉がらみは、肝・胆なのでしょう。

 「五臓の色体表」とにらめっこをして、早春の筋肉の始動に、黒酢(酸味)も試してみましょうか? 寝起きの悪さにもよいかもしれません。

 前屈がつらく、朝、顔を洗うのもひと苦労だったり、30分と座っていられなかったり。そして、ときに足の神経痛まで引き起こしたり・・・。腰痛もひどくなると大変です。

なかでも、立ち上がる、物を拾う、咳をするなど、何気ない拍子に強い痛みに襲われるのがギックリ腰です。

ギックリ腰は特別な場合を除くと、骨盤近くで起こります。ほとんど左右のどちらか一方で、背骨のすぐ骨ぎわの筋肉が硬く引きつってしまうのです。

 施療は骨盤の上端の高さや、膀胱経「大腸兪(だいちょうゆ)」、督脈「(こし)陽関(ようかん)などを目安にするとよいでしょう。ここは、2本足となった人間の物理的な弱点とされている場所でもあります。

 ただし、5号カップを背骨中央に吸着させると病んだ筋肉に届かないことがあるので、左右から背骨をはさむように吸着させるのもよい方法だと思います。左右からカップ同士を接触させて吸着させると、ピタリと場所に当たります。

 色素反応は、色の強い場合はもちろんですが、かなりの頻度で凝固するようです。悪い側のほうが色が薄く、その代わりに凝固していることもあります。

 凝固反応はよくない反応の一つですから、見落とさないように注意してください。腰の場合、毛穴が目立つようになっていて気づくことも多いようです。

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